図書館ブログきざし

土曜アカデミー 「読み書き困難な児童生徒のための「ペンでタッチすると読める音声付教科書」の紹介」を開催しました

 5月18日(土)、藤芳明生理工学研究科工学野教授、細川美由紀教育学部准教授のお二人を講師に土曜アカデミー「読み書き困難な児童生徒のための「ペンでタッチすると読める音声付教科書」の紹介」を対面会場とオンライン配信のハイブリッドにて開催しました。

 藤芳先生の概要説明の後、細川先生から「読み書き困難とは」と題して、「読むこと」が困難な子どもが一定割合いること、「読むこと」が脳内での様々な情報処理を伴うものであることが示されました。加えて、「読むこと」の困難に関連する障害が紹介され、その障害に対する支援の方法と、それらの一つとして音声付教科書やテキスト読み上げソフトが挙げられました。

 続いて行われた藤芳先生の講演では、国内で作成されている音声教材について紹介の後、藤芳研究室で作成している音声付教科書について、その仕組みや特徴が説明されました。また、音声付教科書の実演と共に、使用している様子が動画で紹介されたほか、対面会場では入場時に配付された音声ペンと専用教科書を体験する時間が設けられました。講演の最後には、音声付教科書の開発が大学入試センター試験(現大学入学共通テスト)での使用を目指した研究から始まり、目標の一つでもあること、音声付教科書の製作に関してはAIを用いるなど効率化を図っていること、音声付教科書の入手方法や関連する取り組みについて紹介がありました。

 講演後は対面会場とオンライン配信の両方から質問を受け付け、質問の内容に応じて、両先生から回答がありました。

 開催後のアンケートには「音読のメカニズムに焦点を当て、認知機能について体験したり、学習障害について整理したりできたので良かった」「特別支援教育を学んでいる立場ですが、このような道具を使用することで通常の学級における支援について手軽に取り組むことができるので素晴らしいものであると考えた」「音声付教科書がどんなものか、我が子に適しているのか気になっていたので、実際に体験することができて、とてもよかったです」など多くのご感想をいただきました。

 次回は、5月25日(土)にブック・カフェ「エミリ・ブロンテ『嵐が丘』」を開催します。ぜひご参加ください。