弘 道 館 記

 水戸藩の藩校である弘道館の建学精神を記したもの。天保9年(1839)3月、藩主徳川斉昭の名で公表されたが、実際の起草者は腹心藤田東湖である。水戸学の思想を簡潔に表現した文章として著名で、そこには「尊王攘夷」の語がはじめて用いられ、また「神儒一致、文武合併」の考え方が示されている。 弘道館の開設は3年後の同12年であり、そのとき館記は領内産の大きな寒水石に刻まれ、館中の八卦堂内に建てられた。昭和20年の戦災で損傷を受けたが、修理され現存する。


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