図書館ブログきざし

土曜アカデミー「ブック・カフェ」「江戸時代の漢文を読む」を開催しました(本館)

 2月8日(土)、今年度最後の土曜アカデミー「ブック・カフェ」「江戸時代の漢文を読む」を開催しました。

ブック・カフェでは、人文社会科学部の西野由希子先生をナビゲーターに、今回は、井伏鱒二『山椒魚』をテキストとして開催しました。
今年度最後ということで、会場にはブック・カフェで今後読んでみたい作品や後期のブック・カフェでこれまで扱った作品について
自由にコメントを書ける4つのボードが用意され、参加者はそれぞれのボードに思い思いのコメントを寄せていました。
今回の作品は、自選全集への収録の際、作品の結末部分が作者によって削除され刊行されたという事実があり、
これにより印象がどう変わるのか、参加者の皆さんの考えを聞かせてほしい、というお話が西野先生からありました。
参加者は、様々な視点から、作品をどう読み取るか意見を交わしていました。


 続いて、人文社会科学部の堀口育男先生による「江戸時代の漢文を読む」を開催しました。
最初に江戸時代の「漢詩文」の位置づけについての説明や、今回のテキスト『鍼肓録(しんこうろく)』の概要について解説がありました。
その後、実際に『鍼肓録』の原文と訓読を読み比べながら1つ1つの漢字を読み解いていきました。
参加者は、堀口先生の丁寧な解説に興味深く聞き入り、「漢文というと難しいイメージがあったが、読んでみると面白い」といった感想も寄せられました。

また、会場には堀口先生の論文(「齋藤竹堂撰『鍼肓録』訳註稿(一)~(十八)」)の抜刷が用意され、
参加者へは自由配布でしたが、会の終了時にはほぼすべてが配布されるという好評ぶりでした。

  なお、こちらの論文は茨城大学図書館「ROSEリポジトリいばらき」でもご覧いただけます。
(堀口育男「齋藤竹堂撰『鍼肓録』訳註稿(一)~(十八)」『茨城大学人文学部紀要. 人文コミュニケーション学科論集』2007-2015)

 今年度の土曜アカデミーの事業は全て終了しました。多数の皆様のご参加、ありがとうございました。
来年度も引き続き土曜アカデミーを開催予定です。来年度前期の予定は4月中旬にリリース予定ですので、ご期待ください。