『菅文庫について』

 菅文庫は水戸の史学者菅政友の蒐集した蔵書の大部分を収め、漢籍が約500部、2000冊、国書が約3500部、8000冊、 その他、よりなっている。
 本文庫は本学創立後の昭和26(1951)年、当時の大学設立期成会が菅家より購入し、本学に寄贈されたものである。
 文庫の特徴としては、菅政友の専門とする史学関係はもちろん、国学・文学・儒学・地誌・法制・経済から理学・医学等まで非常に幅広い蔵書構成となっていることである。これらの蔵書から、幕末から明治を生きた一知識人の姿を想像することも可能であろう。
 さらに、書誌学的に貴重なものも含まれており、今日まで歴史学や国文学の研究者からの閲覧希望や照会がなされている。
 この文庫の整理には多くの先人が努力されていたところであるが、特に昭和48(1973)年、書誌学者故長沢規矩也博士が整理、解題を進められ、翌昭和49(1974)年『茨城大学所蔵菅文庫 漢籍分類目録』の刊行をみた。その後、国書については田口守教授により、昭和54(1979)年より分類作業が始められ、昭和56(1981)年に『茨城大学附属図書館蔵菅文庫国書目録』(分類目録)として刊行された。
 なお、昭和56(1981)年には特定研究の交付を受けて、本学の人文学部、教育学部、理学部の関係教官による菅文庫の所蔵典籍についての総合調査もなされており、翌年には『「茨城大学附属図書館蔵菅文庫の総合調査」報告書』及び『茨城大学附属図書館蔵菅文庫(国書)書名索引』(橘豊教授)が刊行された。


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Last updated: 2001/ 3/26 16:00