平 野 勝 己 著
『輪廻する赤ちゃん』(人文書院)

 著者は産経新聞、夕刊フジ記者を経て'89 年からノンフィクション・ライタ−
として、分析心理学をベ−スにして独自の手法で事象の深層に迫る新しいノンフ
ィクション分野の開拓をめざしている。本書(約 240ペ−ジ)は二十一世紀の重
要な学問分野のうちの一つと考え得る「意識とは何か」について、「誕生の神秘
をさぐる」という雑誌「ハイゲンキ」のルポを加筆・修正したものである。内容
は主な項目を示せばわかるだろう。胎児にもどる心理療法、胎児が記憶する驚く
べき事実、胎児における進化のドラマ、胎児と母親のコミュニケ−ション、意識
をもつ細胞たち、胎児記憶を反映した現代文学、脳外科医の前世療法、シュタイ
ナ−の輪廻思想、人間の記憶のメカニズム。今、この「いのち」を生きているこ
とがいかに尊いことなのかを考えるキッカケとなり得る本書を是非読んでみて下
さい。あなたは大きな可能性を有しているのです。

小 林 正 典(工学部・電気電子工学科)

ラベルの記号 141.3:Hir