星   仰 著
『リモ−トセンシング工学の基礎』(森北出版)

 人間が空を飛んでみたいな−という夢を実現するためには工学的技術が不可欠
であることが本書から読みとれる。とくに、近年の科学技術の最先端の一つに宇
宙開発技術があり、今や太陽惑星やそれ以外の星座観測が、リモ−トセンシング
探査機でなされてきている。本書は主に地球をグロ−バルに上空から観測するセ
ンサ−や情報を抽出するシステム、画像デ−タの取り扱い方を初心者にも理解で
きるように解説している。                        
 リモ−トセンシング(遠隔探査)による画像デ−タから再生される巨視的画像
から必要な情報を取り出す方法が詳述されているが、この基本となる知識は人間
の知識であることを画像理解(パタ−ン認識)の中で述べている。現在情報工学
分野では人工知能の研究が進んできているが、人間の知識を宇宙開発技術とどの
ように結合すればよいか、という問題の一つの解を見い出せれば、本書の価値も
あろう。

外 岡 秀 行(工学部・情報工学科)

ラベルの記号 512:Rim