現代人の生活に「余暇」や「遊び」の領域は欠かせない。いや、生涯学習時代 を迎えた昨今ではむしろ、「個性ある充実した時間」、「自分にあったことを自 由に追求する自己実現の空間」、「生きがいのあるライフスタイル」が、「余暇」 ではなく『本暇』として重要な価値意識になってきている。『ゆとり』とはそう した問題を考えるうえでのキ−概念である。 本書は、余暇社会学の研究者が独自の実証的なデ−タをもとに、比較的わかり やすい言葉で、21世紀に向けての日本人のライフスタイルを模索したとてもため になる図書である。特に、「第3.章 新しいライフスタイルの10のシナリオ」 のところはおもしろい。 これからの人生をより豊かに生きる学生諸君にぜひ推薦したい。