これは人類学の話である。人類はアフリカに誕生し、その後世界各地に移り住 んだ。東へ進んで、発展したのがすなわちモンゴロイド(黄色人種)である。 我々日本人はもちろんモンゴロイドである。毛皮のつなぎ服で寒さに耐えた一団 は、極寒の地シベリアに進出し、ついにはベ−リング陸橋を越えて新大陸へと移 住した。その後、新大陸を北から南へ猛スピ−ドで駆け抜け、南アメリカの南端 にまでたどり着いた。この地に住む先住民のDNAは日本人のそれときわめて似 通っているという。実にスケ−ルの大きい話で、楽しくなる。私はモンゴロイド の食糧確保の方法に興味を覚える。今、冒険家の関野吉晴氏は、このモンゴロイ ドの辿った道を南アメリカ南端のナバリ−ノ島から逆方向に辿っており、2001年 にはアフリカの人類誕生の地オルドバイ渓谷に到着する予定という。 皆様にもこのモンゴロイドの「グレイト・ジャ−ニ−」の一読をぜひお勧めし たい。