茨城大学に入学した皆さんは、縁あって水戸で学業を始めることになる。とは いえ、水戸に生まれ育った人は、その中のいくらの数でもない。いや長く住んで いたからといっても、その人が水戸の歴史について、どれほど知っているかも疑 わしいというべきだろう。 水戸といえば、黄門様と答える人は多いけれど、TVを通じての黄門認識は全 くの虚像にほかならない。 この書物は、水戸藩解体以後、水戸の土地と人が、どの様な変化をとげてきた かについて、茨城大学に勤務してきた教官の有志が、それぞれの専門分野を対象 にして書いた作品である。執筆者の中には、その後に定年退官した方もあるけれ ど、皆さんと授業を通じてであえる方も含まれている。読んでも判らなかった個 処、もっと詳しく知りたい個処について質問できるメリットもあるわけである。 私も執筆者の一人で、鉄道と電気の歴史を受け持っている。