本書は、マイクロマシン分野の新進気鋭の研究者による入門書である。世界と 国内の最新の研究成果を、イラストや写真を多用して、目で見てわかるように工 夫されている。 内容は、ミクロの機械たち、マイクロマシンとは何か、役立つ応用分野、マイ クロマシンの作り方、力の発生源の6章から成っている。機械といえば、すぐに エンジン、ロボット、時計等、複数の部品がある決まったメカニズムや法則のも とに整然と運動する姿が想像できる。今、その機械の寸法をどんどん小さくして いって、mm程度からμm(マイクロメ−トル)以下の機械を作ろうという国家 プロジェクトがすすめられている。体の中や複雑な機器の入り組んだ内部に入っ ていき、検査や治療(修理)をするマイクロマシン、エネルギ−をほとんど使わ ずに駆動する直径数百μmのモ−タなど、想像力ならぬ創造力をかきたてる分野 である。 アイデアと行動力があれば、第一線の研究者の仲間入りができることを、本書 は教えてくれる。