日本社会臨床学会 編
『「開かれた病」への模索』(影書房)

 『「開かれた病」への模索』は、日本社会臨床学会が編集した『社会臨床シリ
−ズ全4巻』の第1巻です。そこに扱われているのは、「精神障害」「精神病」
と呼ばれる病にまつわる様々な問題です。「精神障害」「精神病」は、私達の日
常では、忌避すべき存在、忌むべき存在として扱われています。最近でも、ビ−
トたけし等の芸能人が、自らの先入観的知識を省みることなしに軽々な発言をテ
レビでして、その精神的怠情を批判されていますが、私達も、実際には彼らと五
十歩百歩でしょう。                           
 『「開かれた病」への模索』は、その「精神障害」「精神病」というものに異
なる視角を向けています。私達の思い込みに反省を迫っています。「精神障害」
「精神病」を見る私達の日常の視角を問うもうひとつの視角を提起しようとして
います。                                
 詳しい内容は、実際に本にあたって自分で学びとってもらいたいと思います。
また、同シリ−ズの他の 3冊も、それぞれ、「学校、カウンセリング」、「障害
者」等のテ−マに関して、新たな視点を提起しています。あわせて読まれること
を薦めます。

林   延 哉 (教育学部・情報教育講座)

ラベルの記号 493.7:Hir