梅 棹 忠 夫 編
『「知」のハンタ−たち』(講談社)☆

 本書は梅棹忠夫氏が、いろいろな分野の人たちと対談したものを、一冊の本に
まとめたものである。梅棹忠夫氏は民族学者で、国立民族学博物館長をされた方
である。対談相手は世界の料理、住居、衣装、時間の文明、河川、祭り、言語、
雪と氷、ヒョウタン、島じま、砂漠、雑穀などの研究者12名である。彼らは専門
的見地からグロ−バルな多様性を捕らえようとする、いわば文化の知的ハンタ−
たちである。                              
 私は園芸学を専攻しており、世界の野菜、花、果樹などに興味がある。したが
って、ヒョウタンや雑穀の話を面白く読んだ。文化人類学では、世界の諸民族が
長い年月をかけて育て、食べ、親しんできた作物を一種の文化財としてみるので
ある。その作物が人類の営為に応えてきた適応力、変異の幅の広さには感嘆する。
そのほか、世界の言語にも興味を覚えるし、どれも楽しい。       
 さて、皆さんは何に興味を引かれるでしょうか。

松 田 照 男(農学部・附属農場)