ベアテ・シロタ・ゴ−ドン 著(平岡磨紀子 構成/文)
『1945年のクリスマス 日本国憲法に『男女平等』を書いた女性の自伝』(柏書房)

  女子学生の皆さんは、必読してほしい書物とまず書いておこう。日本国憲法は
世界でも例の少ない男女対等を明記した存在である。そう書くと、それは建て前
で現実には、女性は差別されていると主張する人もあるだろうが、日本国憲法第
24条が男女対等を規定したからこそ後に機会均等法も成立したと認めるべきだろ
う。                                  
  ところで、男女対等の原案を作ったのは、驚くべきことに、日本語が上手で当
時わずか22歳のロシア系アメリカ国籍の女性であった。日本の憲法原案を、なぜ
外国人が作ったのかについて詳説する紙数のゆとりがないけれどもそのことを、
女子学生の皆さんにぜひ知ってもらいたいと思う。当時の日本政府の男性メンバ
−が、最も強く反対したのが、男女対等の原案であったという事実も、私たちは
知っておくべきだろう。この本のサブタイトルは、日本国憲法に「男女平等」を
書いた女性の自伝となっている。 

中 川 浩 一(教育学部・社会科教育講座)

ラベルの記号 289.3:Goh