海老沢  敏 著
『新モ−ツアルト考』(NHKブックス)☆

  本書は1984年NHK教育テレビで放映された<NHK市民大学>のテキストを
主体とし、後<NHKブックス>に収められる際に若干の追加執筆がなされてい
る。                                  
 モ−ツアルトに関する書は非常に多く、特に没後 200年(1991年)を記念して
世に出た書も多い。                           
 この小冊子は、肩の凝らない、と言っても通り一遍の書ではなく、モ−ツアル
トの生涯における重要な出来事をおさえ、それを作品と連動して説明し、併せて
当時の社会状況を簡潔にまとめて記述している。              
 一方、モ−ツアルトの収入についても言及しており、このことによって人間モ
−ツアルトの日々の生活の一端が垣間見られるし、個々の作品の作曲料を知るこ
とも興味深い。

臼 井 英 男(教育学部・音楽教育講座)