茨城大学健康・スポ−ツ科学研究会 編
『身体活動の科学』(大修館書店)

  「運動」や「スポ−ツ」に関する本は何百冊とある。それらは、例えば「運動
をすることによって身体にどのような生理的変化がみられるか」とか「上達する
にはどのようなポイントがあるか」「どのようにスポ−ツ振興策がとられている
か」等、1つの側面からとらえたものがほとんどである。          
 しかし「身体活動の科学」は、「運動」や「スポ−ツ」よりもさらに広い概念
である「身体活動」について、あらゆる側面からアプロ−チしている。しかも、
 1章では「身体」そのものを、  2章では人間として健康やスポ−ツとの関わりか
らその身体に意義をもたせ、 3章では社会との関わりからとらえている。という
ように、有機的に同心円上の広がりをもつように構成されている。中でも、解剖
学・人類学的視点からみた身体、武道からみた身体観などにふれた 1章、自然と
人間との関わりから野外活動まで言及した 4章の内容を含んでいる点は、類似の
本にはみられない。                           
 尚この本は、茨城大学の健康・スポ−ツ科目の教科書にもなっている。

田 中 茂 穂(教育学部・保健体育講座)

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