本て何か・・・となると、これは難問になってしまう。いろんな本があるから だ。分かる本、分からない本。分かるのを求める本、分かるのを求めない本。様 々だ。全頁真白な本さえあった。・・・数学の本・・・となると、かなりもう特 殊なものに違いない。 この本はエッセ−ではなく、普及版でもない。専門書である。高校までの数学 が分かった人に向けられている。但し高校の数学が分かった人には「推論と論理 の飛躍が(殆んど)全く無い」ように書かれている。専門の内容を知識を予め仮 定したり、略することは全くなく、且つ完全に易しく書かれている。どうやら著 者は読者に「ここの文が理解できません」等と言われようものなら、著作の失敗・ 著者の敗け、と思っているみたいなのだ。その上、すべての数学書は難解だ、と 言っている。筆者は同感する。これまでの数学書の著者たちは一文一文の論理の 飛躍度に意を用いなかった。難しい数学だから如何に易しく書くか・・・それが 課題だ・・・と著者は言っているように思われる。