嘉 納 治五郎 著
『嘉納治五郎著作集 第一巻〜第三巻』(五月書房)
〇第一巻(教育編)
〇第二巻(柔道編)
〇第三巻(人生編)

 オリンピック種目の柔道を創始した嘉納治五郎は、一方で近代日本の教育、ス
ポ−ツの発展に極めて重要な役割を果した。教育で教員養成の総本山である東京
高等師範の校長を二十余年にわたってつとめられ、戦前の義務教育の基礎をかた
めるために尽力された。また、スポ−ツでは、東洋初のIOC委員として、日本
体育協会を設立し国内の体育・スポ−ツの発展に寄与するとともにスポ−ツを通
じて世界との共存共栄の道を念願された。この著作集は、このような嘉納治五郎
の考え方、生き方を集大成している。                   
 第一巻・教育編は、「有効の活動」「精力善用自他共栄」「青年修養訓」の3
部からなり、第二巻・柔道編は、「講道館柔道」「柔道講義」「国民体育」から
なり、第三巻・人生編は、「柔道家としての私の生涯」「教育家としての私の生
涯」「回顧六十年」からなり、どの巻のどの項目から読んでも読み易く構成され
ており、教養教育の参考図書として最適と思われる。

尾 形 敬 史(教育学部・保健体育講座)

ラベルの記号 789:Kam:1〜3