クリストファ−・フレイビン、コラス・レンセン 著
『エネルギ−大潮流』(ダイヤモンド社)

 石油などの資源の枯渇、炭酸ガスを含めた社会活動からの排出物の捨て場の減
少は、誰もが知る今日的な環境問題である。原因は、基本を同じくする生活レベ
ルの向上、消費型社会システムの浸透によるところが大きい。その基本とは、エ
ネルギ−消費量の右肩上がりの増加である。                
 本書には、人類の生存に関わりのある問題として、その一点を深く意識した文
章が書き込まれている。著者は、詳細なデ−タ分析から、人口、食糧、環境問題
に関して警告を発し続けている「ワ−ルドウォッチ研究所」のエネルギ−、環境
部門の担当者で、現在の略奪型エネルギ−消費の再生産型への転換を強く主張し
ている。                                
 どのような問題があるのか、どのような再生産性エネルギ−資源があるのかは、
本書を読めばおおかた理解できる。エネルギ−自給率が極端に低い国に住む者と
して、ぜひ本書を読んでその環境問題を自覚してほしい。

小 林   久(農学部・生物生産学科)

ラベルの記号 501:Ene